妻の浮気についての相談を受けるまで

毎日、エレベーターを使わずに階段で11階まで駆け上がってくる、こんなのがウチにおりますけれど、尊敬出来る三十代であります。

探偵の仕事では、体力と精神力が必要です。年をとってもこれが有れば現場で調査が出来るのです。

しかし、小生の場合、探偵調査の現場に携わっていたのは、二十代まで。

三十代の前半にもライトな現場であれば参加していましたけれど、やはり、少しずつ男性の相談を受けるようなことから夫婦関係の破綻などについての話しを聞く機会が増えはじめておりました。

さて小生は、本来よりこの様な『離婚の話し』などには関わってはいけないと考えておりました。

離婚の経験なくして、話しを進めますと知ったかぶりになります。それに、誤解を与えてしまう可能性もある。

まして、一生にかかわる大切な相談…そう考え、こればかりは離婚経験のある相談員が行うべき事と、捉まえていたのです。

ところが、二十代後半にさしかかりますと、このような捉まえ方とは裏腹に、有利になるような、また、離婚を思いとどまるような、そのように仕向けるような、つまり効果を与えられるような業務にも携わる必要に迫られた時期が訪れてまいりました。

離婚経験の無い小生が、不仲となった男女間の心情を察したり、また、冷静に関わる上で、互いの最善となるように関わってゆく事などを行うのです。

結果として、現在『妻が浮気しているのです』という相談をプロとしてお聞き出来るようになるまでには、様々なこともありましたが、今回はこれらの振り返りとともに記してゆこうと思います。

さて、小生の現役職は調査部長です。

ちなみに、探偵社や興信所の調査部長とは、調査の段取りを行ったり仕切ったりする役職を意味しますけれど、これも今はしておりません、ひとまかせ、11Fまで駆け上がる「彼」が取り仕切っております。

この「調査部長」という職は、今でこそさせて頂いておりますけど、もちろん当初から行っているわけではありません。

やはり彼のように小生の身体が怠慢に毒される以前、その時は現場調査員であったのです。

怠慢に毒されるというのは少し大げさですけれど、朝のジョギングや、彼のように11階まで駆け上がるような日々の積み重ねへの努力をしなくなりますと、現場の調査員は自主的に引退することと同じ意味です。

走れなくなった探偵ほど醜いものはありません。

特に小生のようにメタボ系の探偵はダメです、やめた方が良いです。

今でもダイエットをしておりますけど、やはり美味いものの前では挫けてしまう、こればかりは意志の弱さだけではなく、京都にお越しになったお客様をご接待するときのために必要とされる「食」の追求的な部分もありますので、なんともジレンマのような事であります。(言い訳としかとれませんなw)

そもそも、肥えている探偵さんが、どうしてダメなのか。

例えばですね、尾行している相手が電車に乗りました、そして、そのまま尾行したら駅で降ります。すると駅前の駐輪場に置いてあった自転車に乗りこみます。当然こちらの自転車はありません。

そのあたりに都合良く、自由にお使い下さいと書いた自転車があるはずもなく、仕方なく走って追っかける事になりますな。

ところが、メタボな探偵さん。次の曲がり角までは、息をヒソマセながら、息をしのばせながら、ゼェゼェと。ゆくけど、2kmでアウト(失尾)なんてことになる。

本当にこれはみっともない。自分の仕事に自信を無くする一瞬。現場の調査員が出来ないと気づいた初めての瞬間でした。

ちなみに、くだんの11階まで駆け上がる「彼」。恐らく5キロくらいまでなら走れるだろうと思う。

これら自己管理こそ探偵調査の基本姿勢です。

となんだか、タイトルから逸れて自己開示系になっておりますが、きっと次回に続きます。

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