石松

北大路駅といえば、地下鉄京都線の駅、そして市バスのターミナルとしても有名です。
ここ観光地京都では、東の清水寺あたりや、西の嵐山などの両サイドでは混雑が起こりがちなのですが、この周辺などではどこ吹く風、賀茂川をはじめとした京都の見どころへのターミナルでもあるのに、ゆったりした空気が流れております。
そのターミナルから、歩くこと1分。つまりその横に、旨い寿司屋さんがあります。

店主の相井謙二さんは「京都寿司ではありません」と言われます。
たしかに、創業37年目の『石松』さんは、創業者は名古屋で修行、二代目は東京の銀座久兵衛での修行と京都の出身ではありません。
しかし、私は何よりも京都人の舌について良く知り尽くしている寿司であると思うのです。
特筆すべきは店のシャリ。シャリはいわゆる塩酢ではない、京都寿司のように甘くもなく、かといって味がしないわけでもない。
仕込み方はお聞きできませんが、ダシやお酢、砂糖と塩などを感じます。

さて、頂いたのは特上寿司。
特に印象深く感じられるだろうと思うお寿司を3つに絞り込むとすれば、穴子、海老、コハダ。
穴子は、柚子塩で頂く焼き穴子。


柚子の香りの向こうに穴子の香り、そして塩味がやってきたと思えばもう一度穴子の旨味が口の中を巡る様な感じがします。


海老は写真の通りに、見事な光沢。
車エビを一匹ずつ丁寧な仕事をして握っておられる事が素人の私にも判ります。


そして、お目当ての「こはだ」。
関東の方が口にされると、どうしてシャリに味が付いてるの?と聞かれますが、これが京都流。
ガリと共に口に入れると、また絶妙でシャリと、こはだと、ガリの味それぞれが旨く重なり合って邪魔をしない味わいとなります。

京都人ではないと控えめな相井さんほど、京都的な人はいないのではないかと贔屓にさせていただきたいお店なのです。

石松
075-491-0032
京都市北区小山上総町12
11:00 21:30
カウンター8席 小上がり12席、20名までの座敷
昼膳は1,365円もあって人気。(穴子も付いている)

なお、石松の詳しいメニューはこちらにありますが、「特上にぎりから食べて、足らなければお好みで」というのが相井さんのお薦めでもあります。

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