そば茶屋 澤正

このお店は、観光客の多いお店である。それは店からの眺望の良さや周辺の趣によるものであろうと思う。
眺望では茶屋自体が春夏秋冬四季折々の草木や花々に覆われている。また周辺では途中にかけられる「円通寺橋」から眺める景色、春には大きな枝垂れ桜、新緑、そして紅葉と充分な季節を堪能することが出来る。

さて、本日頂いたのは「夢咲月」というお献立。
まずは、「八寸」の写真からで失礼致します。

奥から真ん中は「新じゃがの和だしスープ」、左側が「豆腐の味噌漬け」、右側が「筍とソラ豆の白和え」。手前真ん中は「菜の花とハムの東寺揚げ」と「平目の蕎麦粉焼き」、右側が「絹莢のお浸し」、左は口直しで「桜花ゼリー」となる。

次は蒸物で、「蕎麦道明寺餅蒸し玉子餡仕立て」。桜の花びらを塩漬けしたものがのせられる。


次は、小鉢で「更級変わり蕎麦に桜葉を添えて」


次は、焼物で「春仕立て」蕎麦粉ニョッキと炙り蛸の春野菜添え


お蕎麦は美しい器に盛られたものでした。
次の御飯は「春の蕎麦混ぜ御飯、豆乳あんかけ」です。


菓子の前には、写真の「冷やしにしんそば」を味見を兼ねていただきました。
にしんのお味はしっかりしていてお蕎麦の味がわかりませんでした。


ところで、今回頂いたお料理について記してあるものを記しておきます。「夢咲月由来」とあります。

花の四月は新入学や新入社など人生の
一歩を踏み出した人も多いことでしょう
咲き誇る花を見上げて夢を語り合う
二人に幸せあれ
ふたぁりの夢を咲かせる歩揃え
            晴生

昭和初期に迎賓館仕様で建てられた場所、そして高貴な感じがなんとも漂う文章ですから、この様な雰囲気が好きな方ならよろしいのでしょう。
店を出たところの庭にも桜が咲いておりました。


まさに温故知新。古きものの良さを楽しみ、そして又、今を遊ぶ舞台。
店の中には、京のイメージを溢れんばかりに取り入れてあるような錯覚にも陥ることが出来る店ですから、ソバを楽しむよりも接客や「器」、そして風景を楽しむお店としてご利用されるなら京都の穴場ともなりましょうか。

予約は「個室」「窓側」の順で入れてみられて無理ならまたの機会もベター。
とれた場合は「創作そば会席」をお楽しみになっては如何かと思われます。

京都市東山区今熊野剣宮町33-22
075-561-4786
11:30 19:00
奇数月は水曜日・偶数月は火曜日

京都の蕎麦に戻る

そば茶寮 澤正 (そば / 東福寺)
★★★☆☆ 3.5

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。