加須市のそば屋「田舎」

埼玉ネタのついでに、先日立ち寄った蕎麦店の話にのっとくれ。

埼玉にだって有名な蕎麦の栽培地、これ少なくないんだよね。

熊谷の奧にある秩父市荒川じゃ山間地の立地を活かして昔から在来種が作り続けられて秩父産の蕎麦を売りとした店も多い。

秩父じゃ、「手打ちそばこいけ」と、「手打十割そば蕎都」で味わったんだけど、両方とも秩父産の玄蕎麦を使用していて、挽き方と打ち方を変えて特徴良くだされていた。

埼玉なら川越にも「三たて蕎麦やじま」というお店があって、ご自身の蕎麦畑(2ヘクタール)で栽培され、ご自身のお店で使用されている。やはりその環境で頂くと美味く感じるもので、あの蕎麦掻きの味たるや忘れられない濃厚さがあった。品種は常陸秋そばであったと記憶している。

さて、同じく埼玉の加須市。

ここで地元の蕎麦を使った良い店を発見したので紹介したいのね。

店の名前は「手打ちそば 田舎」。と、なんともシンプル。夫婦で営んでおられる蕎麦専門店であります。

この周辺をご存じなら、蕎麦屋なのに饂飩を置いている、(小生にとっちゃ)ポリシーのないお店が多いのですが、恐らくここだけじゃないですかね。正真正銘蕎麦だけのお店です。

お店に入ると、厨房がよく見えます。次に大きな茹で釜が目に入り、綺麗にされていて安心できる。

そしてメニューを見てびっくり、まよわず「もり蕎麦」を頼む。

すると奧の方から、紙に包まれたお蕎麦を出されてきて、ほぐしながら大きな釜にパラパラと。

そして24秒。釜からが上げられて、横の冷えた真水でさらされる。

76とは思えぬ小気味の良いテンポです。

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とりあえず、一枚を頂きまして感じたのは、蕎麦の味に深みがあるってところです。

小生、蕎麦が来ますとね、まずは箸でつかんで鼻の頭にもってきて、スーッと吸い込むんですね、しかしこの香りはあまり無かったのだけど、口に含んだときの味わいが口いっぱいに蕎麦で満たされるのですね。

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蕎麦は写真の騎西町そば生産組合が提供する「騎西蕎麦」を玄蕎麦で入れていて、1時間に5キログラムという、まったく採算の取れないスピードで店の奥にある石臼で挽かれたのもの。

三年前から、世に出た騎西蕎麦。

今、一番、自分でも仕入れてみようと思っている蕎麦産地であります。

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さて、このオヤジさん、大変な病気をなさっているとご本人の口から聞きました。

そして医者に趣味を持ちなさいと言われ作りあげはじめるまでの、なんと前向き人生。

埼玉・加須市・手打ち・生蕎麦・田舎・店主・石川秀夫 氏
どなたかの弟子につかれたのかとお聞きすると、お友達と二年ほどああでもない、こうでもないと蕎麦をいじくり、すべて自己流で作りあげ、最初は盛りひと品のみにしていたのを、ご近所さんの要望から甘汁も作り始めた様なことでした。

あと、特筆すべきは、ここの「手作り一味」それもまさに生一本の一味でしょうな。すり鉢で当たって細かくされる丹念さで、きっと甘汁にうかべたなら、印象の強いことであったに違いない。頑張ってもう一杯行っとけばよかった。

みなさんも、このお蕎麦に、そしてこの元気なお顔に出会いに出かけられませんか!?

埼玉・加須市・手打ち・生蕎麦・田舎・一味唐辛子

埼玉・加須市・手打ち・生蕎麦・田舎・店舗 /></a></p>
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