今から10年ほど前、山科の毘沙門堂で野点そばが行われていた。
香りを楽しむような、蕎麦の産地にこだわるような、「なか甚」がまだ出来ていないころ。
それは、京都の蕎麦が黎明の時期を迎え始めていたころである。
この話は別の機会に譲ることとしますが、ほぼひと月ぶりにいただいた『味禅』のおそば。
こちらのおソバ屋さん。ずいぶん前になりますがご住職の奥様にお教えいただいてから通い詰めているお店。
気取らず、何よりもゆったりとした気分で味わえます。いわゆる昔ながらのそば屋さんといった感覚でいただけるのも居心地も良いというわけです。
入口の石を積み重ねてあるのは、空充秋作の帰ってきた平成の大馬鹿門。「大素馬鹿」(おおそばか)は「馬鹿になって励め」の願いが込められている。
本日は「たぬきそば」と「おろしそば」。
因幡薬師のご住職は「とろろそば」。それぞれ、冷たいお蕎麦です。
普段のつなぎは一割までの九一蕎麦。
もしもこだわりの蕎麦を求められるのなら、『生粉打ち』(きこうち)を前日までに予約して行きましょう。5人前からなので2人いたら充分(私なら)。
ちなみに蕎麦の実については九月から十月までが北海道の沼田産や十勝産などを、十月から翌八月までは信州は安曇野周辺の国内産最上級の蕎麦の実を使用されています。
普段はこのお蕎麦をいただくのです。店主が自作されて使用している石臼製粉機は、蕎麦の実を挽くときに出る「熱」をも最小限に抑えていて、蕎麦本来の香りや甘味を引き立たせてくれている。だから喉越しも最高で文句なしなのです。さらにその時の最高の国内最上級蕎麦の実を直前に挽いて頂いたうえ楽しめるので安心です。
なお、そばつゆについては公開されているので引用しておきます。
醤油〜濃口本醸造の麺つゆ専用醤油「超特選・そば膳」
(千葉県・銚子産)
味醂〜江戸古式製法による琥珀色の「三河味醂」
砂糖〜究極の砂糖といわれる「三谷精糖・和三盆」
昆布〜高級和食・割烹などで使用頻度の高い「利尻昆布」
鰹節〜数種類の「節(本節、目近節、鯖・うるめ節)」を使用。
本節・・・・・鹿児島県・枕崎産/本鰹の枯れ節
目近節・・・・高知県・土佐清水産
鯖・うるめ節・熊本県・牛窓産
更にこだわるられるのなら、『蕎麦づくし』がおすすめです。
夜のみのメニューですが、蕎麦が堪能できます。
こだわったお酒も沢山あって、充分に蕎麦を堪能することが出来ます。
写真は以前の呑み会のもの。そばがき等お蕎麦は勿論のこと、八海山のビールに蕎麦味噌、宮島産のおしゃもじに盛りつけられた蕎麦味噌の焼き加減が絶妙でした。
言わずもがな『にしん蕎麦』も旨い
石臼挽き・手打蕎麦 『味禅』
京都市下京区烏丸高辻上ル東側京都MビルB1
京都市下京区新町通仏光寺下ル東側 岩戸山町413
075-352-1051
毎週日曜第3月曜定休
11:30 14:30
17:30 21:00
大きな地図で見る