「本物の酒」に出会うまで。

日本酒は小生の舌には一番旨い。
したがって今までの人生を変化させてきたのは、間違いなくこの日本酒である。
1年ほど前にこの日本酒が人生を変化させた。
良い変化なら良いが、悪い変化、つまり大いなる反省があった。
そして次の日これに警戒しようと思うのだが、この反省も実に何度も繰り返してきていて、もうなんともならん。
だから人は面白い。

よって今回は人生を振り返ってみる。
小生がはじめて日本酒を口にしたのは、小学校五年。
PTAだかの大人の集まりが家であって、その時のメニューが「すき焼き」だった。
それを、もの凄く食べたそうにしていたのを、梅村のオヤジさんがこっちで一緒にと同席させて頂いた。
その際、そのオヤジさんがすき焼き鍋に一升瓶の半分は入れたんだな。
旨味が増す、たしかそう言ったろう、その日本酒で満ちた「すき焼き」を頂いたのが初の日本酒というわけだ。

美味かった。
だが酒を飲んだら翌日にどうなるのかなんてのは、その時は知らね。
コップに満ちあふれる、この日本酒を何度かいただいたのは覚えているが、そのまま記憶がふっとんで起きたら布団の上。

その日は日曜日。
当時入団していた地元のスポーツクラブ、乙訓サッカー少年団の練習日。
そのサッカー少年団じゃ、杉山君と一緒にキーパーのポジション争いをしておったのだが、練習中に突如その時がやってきた。

ばたりと倒れ、いわゆる噴水であるな。
そしてそのゴールの前に出来た池の香りから、偉大な大友コーチはすべてを悟った。
即座に家に帰され、しばらくするとゴールを守る要職ではない、ほかのポジションを担当しておった。

これが初の日本酒であり、初の二日酔い。
初の酒による人生の変化であった。
思えば、酒との腐れ縁はこのあたりからで、同じ事を繰り返していても笑えて来られたのだ。しかしあの酒を呑ませ、酒への出会いを与えてくれた梅村のオヤジさんには、ここであらためて感謝しておきたい。

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