系図は、苗字の家系を中心に、遠いご先祖の出身と、家門の血統、素性等を、一目瞭然とわかるように図式化したものです。
それは子孫にとって、家柄と血統を記録的に伝承して、他の苗字(他姓氏系)、他の家と弁別するための最も簡要な歴史的記録といえましょう。
また、従来から系図には、これら家系とは別に、武術や学問、歌道や諸芸道などの系統を記したもの、また最近では政界派閥や芸能界派閥を表すものもあります
1,073,741,824人。
これは、あなたご自身の代から数えた三十代前までのご先祖の数です。ご自身のお父様とお母様、そしてそのお父様とお母様にもお母様、つまり御祖母がおられ、このように、三十代前まで数えますと10億7374万1824人となるのです。(五十代前は、18兆150億人)
人生を振り返る機会が来たとき、また、将来のためにも家系図にしてみてはいかがでしょうか。先祖供養のため、自分を見つめ直すため、そして未来への贈り物として家系図を作ってみませんか?家系図作成を自分で行う方法より引用
しかし、最近の日本では、悪平等の民主主義の影響で、家への概念はまったく変貌して、法律的にも、単にひとりの男と、ひとりの女の結婚によって、一つの家の単位を構成している、単なる経済的基盤に立つ便宜上の理由でしかなくなっており、それぞれのご先祖もご両親をふくめた子たちから、子孫へと伝統してゆく従来の「家」の観念など、まったく希薄になっているように思えてならない。
家や家柄のことをのべることは、古いのであろうか。
封建的であるとか時代錯誤、また現代的ではないと言う人も多いが、これは間違いであると僕は思っている。
「そもそも人格的に親と子とは違うし、個人の確立のためには、苗字(姓氏)家系も、血統も、単なる過去の権威や象徴に過ぎない」、などとして、今のペットブームで犬や猫の生体売買に取り付けられる血統書となんら変わりない扱いをしている。
これは僕にとっては誠に奇妙で、まるで錯覚混迷しておられるようにしか思えないのです。
これら家の歴史や伝統の正当な価値までも否定して、良き古のものにも気づきさえしない。
端的に言って、これが近ごろの家庭に蔓延している親子断絶であったり凶悪事件の引き金となる造反力横行の礎、因子のひとつであるとも思う。
だけど、弊室オンラインのご相談の中に、歴史や伝統への郷愁や関心を持たれたご相談も多いから、嬉しくなる。
年齢をお聞きすると、20代の方もおられるから、歴史伝統の家柄や系図に対する興趣をおぼえられる方もあるのだ。
過去に於いては、学校過程のなかで系図の知識や、その作成方法も教育を受けていたのだけど、今は知らない人の方が多数を占めている。これが、このたび記そうと思ったきっかけで、少しでもご自身の家、とりわけご先祖への思いを深めていただければという、僕の傲慢な思いからでもある。
歴史に興味を持っていて、史跡や史話、人物伝や歴史風俗を趣味とされている方の中にも、正当系図そのものの本来的な意味や価値効用については、あんがいと知っている人がない。
これから以降、系図に対しての効用などをを記して行きたい。
今回はここまでとして次回にゆずる。