大阪のたこ焼きと東京のたい焼き、やはりこの二つは永遠のライバルとも言えようか。
しかし、大阪のたこ焼きは、葛飾に「道頓堀名物」として幅をきかせたり、東京たこ焼き食べ歩きのブログもあるほどで、やや形勢不利かもしれないな。
さて、今回の東京土産は、この「たい焼き」だ。
聞けば、都内には”たい焼き御三家”なるものがある。
人形町の「柳屋」、四谷の「わかば」、そして麻布十番の「浪花家総本家」がそれで、三軒ともそれぞれに強烈なファン層をたくわえるという。
その中で、選んだのは「浪花家総本家」。
あの「およげ!たいやきくん」の”おじさん”のモデルになった神戸守一さんのお店だ。
焼き方も、あんこの上に粉をまぶしているから、実に甘味が強烈に香る。
それに、この浪花家総本家こそが、御三家の最古参。
そしてなにより、たい焼きを考案した元祖。
明治42年(1909)だから、来年で百年目!
浪花家初代の神戸清次郎氏が、今川焼きと人形焼きを合体させるところから発想したのだ。
それも、たい焼きがメインの商品として落ち着くまでに、バナナ焼き、戦車焼き、ウサギにカメ焼きと、さまざまな商品が試行錯誤されては消えていったとか。
現在は、四代目の正守氏が活躍中だが、三代目の守一氏も店の前でお話しが楽しい。
見ているうちにポンポンと焼き上がる、たい焼きは、少しあんこがはみ出ていたりして格好いい。
食べれば、控えめな甘味といい、皮のパリパリとした質感といい、実に元祖らしい上品な味わいなのです。
ただ、問題が一点。
持ち帰りの際、完全に密封しないと、電車、機内ともに衆目の的になる。
それほど、美味そうで(いや実に美味い)、懐かしい甘味が、周囲に漂うのである。
元祖たいやき
浪花家総本家
港区麻布十番1-8-14
03-3583-4975
お買い求めの際は、電話で要予約。
店頭で持ち帰りの時間を告げて指定される時間(2時間後くらい)に持ち帰るのが一般的。
電話しておけば、待ち時間に問題なし。
ところで、久しぶりに見たこの映像に涙したのは僕だけではあるまい。