京都の北向不動

北向山不動院にお参りをさせていただくと、不謹慎な言い方ですけれど楽しくなる。
いつもの通り、本堂の北向不動さんにお参りをさせていただいた後には、本堂の周りに進む。
すると、「大聖歓喜天」「薬師如来」「役行者」「歯神地蔵」「火頭鳥素沙摩明王」「安産地蔵」「延命地蔵尊」「六体地蔵尊」「山王大権現」「陀枳尼天」がおられる。
滝の行場には、苔だらけになったお不動さんがおられ、流れ落ちている滝の水が、お不動さんの「不動の剣」のようにも見えます。

また、紫燈護摩の行場にも、不動明王(一願不動)を中心とした五大明王がおられて、お寺の中にいるだけでも何とも安心できるのです。

周辺の景色や、境内の緑に満ちたお庭で安心という意味ではなく、北向不動院の境内ならばどこにいても神仏を気持ちで感じることが出来るため、楽しくなってくるのです。
これは、安心からあふれ出るという意味の楽しさかも知れません。

さて、簡単な歴史をご紹介すると。

天台宗の単立寺院「北向山 不動院」は、一般に「北向不動」の名で京都の人にも親しまれている。
大治五年(1130)に鳥羽天皇の勅願によって、鳥羽離宮の中に創建された。
開山は興教大師で、本山には大師自らが刻んだ不動明王があり、王城鎮護のために北向きに安置したので天皇から北向山不動院の名を賜ったといいます。

直ぐ近くに、鳥羽離宮跡や、安楽壽院などありますので、又の機会にご紹介いたします。


近畿三十六不動尊第二十二番霊場と記した白板の横には、おみくじがあります。
万が一にも大凶を引き当てたとしても、ここに入れると大丈夫、という意味の右のポストも安心して引けるので楽しい。

更に反対側に、興味深い文章が手書きで書いてありましたので引用しておきます。
文章の通り、不動明王の御威力を感じられる場所として、また摧破していただける場所、それがここ北向不動であります。

仏の世界(浄土)にお参りをする。
私たちの日々というのは心配苦労の連続です。仕事は厳しいし、いつ事故や災難、病気に遇うかも知れない。又家庭の事などもいろいろ心配なことが多いのです。この苦労をのがれ、楽しみを求めて遊びや旅行趣味に走ります。然しそれは絶対ではありません。多くの欠点があります。遊びに行って災難や病気になったりして、苦労を逃れる処がより苦を得ることもあります。この世では完全に苦を逃れることは出来ません。然し仏の世界は絶対的な楽しみ得ることが出来ます。
病気になろうが災難や万苦や死が迫って来ようが、平和で楽しい日々を過ごすことが出来ます。苦しい場所でも仏の慈光を受けると、その場所が仏の世界、浄土となるのです。今苦しんでいる貴方、一心に真言を唱えお不動明王の御威力を念じて下さい。幸せは必ずおとづれます。

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