お皿を5枚一組で一人前、真っ白な出石焼に盛られる蕎麦は美しいものだ。出石ではほとんど蕎麦粉が採れない。だから出石焼のお皿にお蕎麦を盛って食べていただこう、というのが出石蕎麦である。
さて、その出石そばを食べるために、お客として訪れる小生。はじめて出石そばに求めたものは、「一に蕎麦の味。二に店の雰囲気。三に値段。」であった。しかし今、出石町内の全ての蕎麦店で食べてみると、おいしいと判断した基準は「一に城下町の風情。二に店のわびさび。三に蕎麦と汁のバランス。」に変更した。
取って付けたような風情やわびさびじゃなくって、蕎麦や汁も平均以上でマッチした特色があって、さらに出石城下町風情とわびさびにマッチしている。
これがボクの100点満点のおいしい出石そば。
そしてその100点満点が今回の「そば庄」です。
蕎麦の伝統を守る事は難しい事なんだと思う。だが、まだ伝統にも成り切れていない蕎麦を「これで良い」なんてやると、もうおいしくなくなるものだ。
これで良い、とはこういう事で、せっかく蕎麦店主さんと仲が良くなってきて、何のつもりか「うちの蕎麦は一番」とか「この蕎麦に惚れている客のために打ってる」等と、口にされることがある。
実は、これが困るのです。ボクの天の邪鬼が騒ぐゆえなのですが、もうこれでその店に行かなくなるのですね、せっかくの行ける蕎麦店が一軒減るわけです。
「何時でもどこでも誰からでも学び取れるほどの謙虚な姿勢で生きよう」
さて、お蕎麦。
そしてここからは想像の域。
いまだ、そば庄さんの店主に、お会いした事がありませんがお店にて感じたこと。
蕎麦をイタダキながら、感じたのは店主は勉強し続けておられるなんだなあと言う点。
それは、お客さんから勉強であったり他の蕎麦からの勉強、これを自分に振り返っておられるんだろうなあってところ。
きっとチョコチョコと変更されてきたであろう店内や、多分奥さんだろう方の話し方や身のこなしというのは、継続して良い蕎麦を提供してゆこうってコツコツと努力されてきたこと。たとえばツカツカでもなくダラッとでもない心地よく近づいて皿や薬味を並べられる事や、運ばれてきたお蕎麦の香りや味わい。
それに薬味だって、大根、ワサビ、ねぎともとっても良いし、醤油は地元の但馬産で出汁もその都度に出している自然味、これは説明を受けるのではなく、すべてがバランスよく美味いから、ここにいればいるほどに嬉しくなってくる。
別にお店の方との会話が楽しいからではない、雰囲気が蕎麦に合っていて、また蕎麦にも雰囲気があっている。モチロンボクとの相性もあるのだろうけれど、ボクは自信をもってオススメできる、おいしいおすすめの出石そばのお店なのです。
そば庄鉄砲店
豊岡市出石町鉄砲27−13
0796-52-5479
出石町宵田の店(本店)は閉められて現在はこの鉄砲店での営業となっている様子。
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出石散策 鉄砲町から川手を廻る ? 出石そば「そば庄」
今年の年初に先輩のブログで出石で初詣をされているのを拝見し、但馬の小京都出石を散策したくなって来ました。そこで先日、小春日和の午後�…