2007年秋 近畿三十六不動尊霊場会法要

人は尊いものを礼拝し、聖いものにあこがれ、美しいものに惹かれる。
普段の雑踏に埋もれたさまざまな悩み、心の渇きを”仏さま”に向かい合って洗い流していただける。小生にとって近畿三十六不動尊霊場はこのような心が安らぐ場でもあります。

近畿三十六不動尊霊場会、2007年秋の法要は、根来寺で行われました。
天下をほぼ掌中におさめた豊臣秀吉が、最後まで服従しない根来寺を攻め滅ぼした時の火災、それでも、根来寺には秀吉の武力に抗するがごとく雄々しい大塔がそびえ立ち、戦火をくぐり抜け、秀吉の死後も揺らぎもせずに覇気を示しています。

根来寺は葛城連峰の山腹にあります。
境内は約三十六万坪。壮大な境内にある写真の本堂・大伝法堂には、とても大きな大日如来、金剛薩捶(さった)様、尊勝(そんしょう)仏頂尊像がありますが、本当に大きいというニュアンスを受けます。

不動堂は、駐車場の前の道を上がって行った先にあり、この本堂からは少し離れます。
不動明王は、木造坐像の秘仏で、錐鑚不動、または身代わり不動と呼ばれています。
嘉永三年(1850)建立。興教大師が難にあわれた際、お不動様が身代わりとなって守られた。
この辺りの車の殆どには、交通安全の祈祷シールが貼られているほど有名な寺院でもあります。
不動堂は正八角形で、外廻り柱も八角柱内陣は床を一段高く構え板敷となっていて、以前は全体が見渡せる造りではなかったが、今回の落慶で目にしたのは、全ての位置からお不動様を目にすることが出来る素晴らしい作りに変わっていました。


この様子の中にいて、先日検索をしていて知った「一会一生」の言葉を思い出しました。
これは岩国哲人さんの言葉ですが、ひとつの出会いというものが、人の一生を、あるいはひとつの命をいかしていくこと。
今回のような更に分け隔て無くお不動さんの慈愛と厳しさを受け取らせていただける様になった不動堂との出会いも一会一生だと思う。
誰を一生の伴侶にするのかも一会一生の最たるものだと思う。というのは人柄の良い、立派な伴侶に出逢うことが出来れば、本人もその徳に影響され、一生立派な人になるし、反対に悪い人柄の、馬鹿な伴侶に出会うなら、本人も悪い影響を受け、だんだん悪くなってしまう。
不動堂の中にいて、聖護院猊下の有り難い護摩を間近に、一会一生の持つ意味の重さ、深さが一生知らされてきた。そして同時にこれからもよい出会いが出来ればとも願ったのでした。


(護摩の動画を載せておきます。クイックタイムが入ってれば観れる筈です。ファイルをダウンロード 注意:46.9MBあります)

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