七栄鮨 春日店

おかしな通りの名前がある。京都の人はその通りをカスガドオリという。
四条通りを上ルと春日神社があるからそう呼ばれているようで、一部の地図では春日通りと記しているものもある。標識には佐井通りとあるのにである。
この様に京都の人は土地になじむように通りの名前まで変えてしまうから器用さが窺えて楽しい。
さてこの春日通りを七条通りまで下がって少し越えたところの東側にも土地になじんでいる器用なお寿司屋さんがある。
このお店ではいつも近所の常連さんやお馴染みさんばかりなので五月蠅いほど賑わいを見せている。
そんな中お願いしたのは、白海老とホタルイカ。
急だけど仕方ない。高井氏との某大使館行き、京都-東京の往復の間ずっと、富山の話しで盛り上がっていた。
そのため、ここならあるかと思って入ってみたわけだ。
そこで七栄さんのお寿司。お寿司はおまかせ、これらのお目当ては一品でお願いしました。

この店は握られて出されるお寿司の台、つまり「羽子板」が色分けされていて値段も判りやすく面白い。「赤板」はタイやグジ、「黒板」はアワビやイクラ、中トロやウニ、マグロやイカ、サーモンやタコなどは「白板」である。


今回味わったのは、一品にホタルイカと白海老、にぎりでは、中トロ、白海老、海胆、鱚に針魚、ハラスにウトイ。


特筆すべきはハラス。握られて目の前に現れたハラスは食感もまことにサクサク。
しかしヤケドしそうなくらい熱々。前から変わらない美味さだ。
ハラスだというのに意外や意外、恐らく焼き方も器用に工夫されているのだろう、パリパリとした食感の中にビックリするほどのジューシーで豊かな香りも口の中に転がり込んでくる。

そして、「ウトイ」。「うっとおしい」わけでもなんでもない、むしろ「うわぁ、飛び上がるほど、おいしい」のである。
ウニとトロとイカのそれぞれの頭文字をとって並べたのが、このウトイ。


どれほど京都の店がここのマネをしたか判らない程、様々な店でも食べられることが多くなったこの組み合わせは特に絶妙。

七栄鮨 春日店
312-7747
京都府京都市下京区七条御所ノ内北町48−2
(七条春日下ル三筋目角)
17:00 23:00
カウンター13席 小上がり3卓

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