今回は、先日の蕎麦の味を決める「汁」のもと「かえし」を作るにつづき、ダシを作ります。
「かえし」にあわせるダシは、ツユの旨味を決める重要なものです。
ある人は、こういいました。
蕎麦のような、強い個性をもった麺に合わせるとなると、汁も濃厚でなければならず、ゆえに、だしもまた、煮出した濃いダシでないと、釣り合いが取れない。
しかし本当にそうだろうか。
というのも、本当に良い玄蕎麦を使用して、一切の不純物が入らないように、鬼皮やヘタのかけらも入らないようにして挽いた粉で蕎麦を打ってみると、このようなダシではえぐい感じがして、折角の蕎麦を殺してしまう事になる。
だから、繊細に「ダシ」をとり、繊細に作った「かえし」と合わせて良い「汁」を作る。
本当に、蕎麦と調和する汁をつくるために。
それでは、今回も前回と同じように、日詰正勝師匠の書籍、「蕎麦を打つ」を参考にして作ってゆきます。
まず、材料は次の通りです。
- 本枯節…30g
- 混合節…30g
- 目近節(宗田節)…30g
- 日高昆布…10g
- 天然水…1,000ml
(今回は分量を5倍にして行った写真を使用しています)
Step1
あらかじめ、固く絞ったふきんで日高昆布の表面についた白いところなどをぬぐってから、分量の天然水に日高昆布をつけて柔らかくしておきます。
1時間ほどしたら、火にかけて沸騰直前の状態で40分間煮出したら火はそのままで昆布を取り出します。
Step2
続いて計量して用意しておいた、本枯節・混合節・目近節を入れ、時々は箸でゆっくりとまわすようにしながら、30分間ほど煮出します。
Step3
ときおり「あく」が出ますからすくい取り、決して沸騰はさせないでください。
Step4
30分たったら、さらしや、キッチンペーパーでこします。
決して、節を押したり、しぼったりしてはいけません。えぐみが一気に出ます。
Step5
これもやはり、外気温にあまり左右されませんので常滑焼の壺で保存するのが良いでしょう。
以上です。
今回とったダシとかえしを合わせる。
Step1
ダシの量の35%の本かえしをダシに入れて中火で煮る。
Step2
ダシの量の10%のみりんを入れて調整する。
沸騰直前に火を止める。
火を止めた後もあくをきれいに取る。
Step3
冷蔵庫に入れ、24時間以降に使用可能。保存は同じく常滑焼の壺が最適。
宗田節とは、見た目はカツオ節を一回りほど小さくしたようなもので、魚(ソウダガツオ)を燻して観想させた、いわゆる節のひとつです。カツオ節に比べ、濃厚で力強いダシは蕎麦の汁づくりには欠かせないものです。西日本では目近(メジカ)と呼ばれています。
京都在住の蕎麦好きとしていつも興味深く拝見させていただいてます。最近あんまし更新していないようですが、蕎麦巡りはしてらっしゃらないのでしょうか。