前回の五万石さんではお琴の調べ、しかし同じ武家屋敷跡の前でも、こちらではジャズが流れる。
以前は、昔からあった映画館を改装したという店構え、併設された美術品の展示場所もそうだけど、古い外見の中にあるモダンさにはギャップを感じて楽しい。
注文は、十割蕎麦をお願いした。
暖簾の横にある「麺打ち場」が綺麗に整頓されて気持ちよかったからだ。
そしてお運びいただいたのは、奥さんだろう女性。なんだか元気があって店全体を盛り上げている感じ、といっても、声がでかいとか、そんな元気さではなくジャズの中、物静かな優しさのあふれるエネルギーを出していて心地よい。
話はそれるが「蕎麦はツユで食べる」とは、良く聞く言葉。
ボクも今まで、蕎麦屋でも品定めをするような場合、「ツユ」への印象をもって評価するような事が多かった。逆に言うと、蕎麦(麺)がいくら良くても、このツユがだめなら全部ダメ。そんな記憶を持つ。
ここの、こしのある手打ち。十割蕎麦は蕎麦、ツユともに美味かった。
皿蕎麦の方は、どちらかなら白い更科系なんだけど、この十割は田舎蕎麦。
かといって舌触りも良く、のど越しも良い。
そして、デザートに出された、「そば葛餅」は、蕎麦の抜き身が、ボツポツと入っていて、たまらん美味さ。葛に付けられた甘味もわさん盆のアマさ、きな粉もフレッシュ。
大将の姿は見えなかったが、奥さんの優しさが沢山感じられ、ゆったりとした時間を過ごさせていただけたのでした。
さて、例によって、蕎麦判定13のポイントにしたがって表してみようと思う。
運ばれてきた蕎麦の麺 総合評価15点
Point1,麺そのもの
* ツヤとハリがあり、見るからにおいしそう…プラス5点Point2,口当たり
* 口に優しく、しっとりする(しなやかさを感じる)…プラス5点Point3,香り
* 蕎麦の香りが清新である…プラス5点Point4,蕎麦の味
* 蕎麦らしい感じはする…0点Point5,こし
* こし砕けではない…0点Point6,喉越し
* 蕎麦の喉越しを感じる…0点辛汁について 総合評価10点
Point7,辛汁の味
* 甘味辛味が濃くバランスがよい…0点Point8,出来上がり具合
* 奥深いうま味がある…プラス5点Point9,麺との相性
* 普通…0点Point10,薬味について 総合評価0点
* 素材を吟味し(本ワサビ、辛味大根を使用)、作り方が丁寧…プラス5点
お店について 総合評価15点
Point11,値段
* 蕎麦の品質と比べて安い…プラス5点Point12,接客
* もてなしの心を感じる…プラス5点Point13,店づくり
* 歴史を感じる、面白みがあり、わびさびを感じる…プラス5点総合計40点/65点
入佐屋
〒668−0214
兵庫県豊岡市出石町内町98−1
定休:毎週木曜日
電話:0796−52−5393