長崎を代表する食べ物であるチャンポンが、華僑によって生まれて百年を越えたという。
小生は勿論、麺類ファンに好まれる長崎の味は栄養面でも整っている。
元祖は、中華料理の老舗「四海楼」だとされている。
創業者の、陳平順氏は中国の福建省の出身。1892年(明治25年)に、長崎在住の知人を頼って在住し知人の行商を手伝いながら資金を貯め、七年後に店を開いたとされる。
チャンポンは世話好きだった陳平順氏が、長崎に渡航してくる華僑や留学生の粗末な食生活を見かねて安く栄養のあるものをと考え出したという。
初めは「支那うどん」と呼ばれていたが、いつしか「チャンポン」となった。
「吃飯」(シャポン)という福建省の言葉は、ご飯を食べるという意味。
当時の華僑や留学生にとっては貧しい時代で、日々の食事が最大の関心事で、「ご飯を食べましたか?」と挨拶されて、「していない」と答えると「では、うちで食べて行きなさい。」と言っていたそうです。
この「吃飯」(シャポン)が日本人の耳に入り、支那饂飩と同義語になり、ついには訛って「ちゃんぽん」とか。
ちゃんぽんには、江戸時代より使われていた日本語との説もあります。踊りの鉦の音チャンと、能の鼓の音ポンを合わせた音の組み合わせによる造語で、種々雑多なものを混同するという意味です。それが異質のものが混合するということにも使われるようになり、支那饂飩がまさにそうであることから「ちゃんぽん」と呼ばれるようになった説もあります。
ちゃんぽんのルーツは、福建料理の「湯肉絲麺」(トンニイ シイメン)です。
しかし福建省はアモイに訪れたおり、このラーメンを頂いたとき、ちゃんぽんのルーツだとは思えませんでした。
麺を主体として、豚肉、椎茸、タケノコ、ネギなどを入れたあっさりスープだったからです。
しかし紹介させていただいた何れのチャンポンも、濃いめのスープ、豊富な具、独自のコシある麺。
いずれも、日本にきて長崎の地で創作され、全国に広まってきた料理と言えましょう。
まさに、ちゃんぽんは「和」と「中華」の融合であって日本の中華料理と言えようかと思います。
その日本のチャンポンに欠かせないのは麺のコシ。
食品添加物としてラーメンにはカンスイが使われる事が多いが、チャンポンには唐灰汁(とうあく)を使い、独特の粘りけと香りを出している。
戦前は、中国から輸入していた唐灰汁。
現代なら中国製品といえば、発ガン物質や農薬混入と偽造大国の中国、やはり戦後直ぐに衛生上の問題から輸入禁止になった。
そこで、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムを原料に、日本国内での生産が始まった。
長崎市新地町にある「三成號」が、いわば日本産の唐灰汁元祖で、チャンポン・皿うどんの専門店を開いている。
ここの麺は、口当たりが良いと、好んで使われるラードを一切使わない。
カロリー控えめで健康的にと、豚バラ・イカ・はんぺん・ちくわ・キクラゲ・キャベツ・モヤシ・ネギの八種類の具とタップリなボリュームなのにヘルシーだから、とても満足、しっかり「ご飯をたべました」。
三成號
長崎市新地町9−8
095-822-4913
11:30 15:00 18:00 23:00