ケーブルが運休なので、徒歩で登る事が出来た。
前のおまいりは、厚木相談室を開設して一年が経った頃だったので、三年前。
今回の大山は「運休」の2文字で迎えてくれたから、断然やる気が出た。
動いていれば数分で「不動前駅」に到着する。だから、本当に良い機会を与えてくれた。そう思った。
写真のようなコケむす参道は、女坂の名称を疑うほどに険しい道だけど、手作りの階段で丁寧に積まれていて途中には「女坂の七不思議」(弘法水・子育地蔵・爪切り地蔵・逆さ菩提樹・無明橋・眼形石)もある。
写真は爪切り地蔵様。
「女坂の七不思議」。なかでも、お勧めは「爪切り地蔵様」。
子どもを守るイメージが強いお地蔵様だから、子育てに関することかとか、母親が子どもの顔に傷を付けないように爪を切る勧め、もしくは、子どもが人様や自分を傷つけるから爪を切るススメ、いや、だいたい爪切りなんてそんな大昔からあったのか、等と前に着くまで考えてたけど、本当は、岩を手の爪で掻き切って彫刻されたお地蔵様だった。
弘法大師空海が、大きな岩を一夜のうちに、ご自身の爪で彫刻されたのです。
集中して事をなせば大きな岩も素晴らしいお地蔵様へと変身する、まさに一所懸命に立ち向かう姿勢の教えですね。
ケーブル運行時なら、こんなに汗まみれの巡礼者もいないのでしょう、本堂に着いて、受付の女性にご挨拶すると着替えにとTシャツをおわけいただくことになりましたがサイズがない。
そこでご住職から頂くことになりました。
余談ですが、(現在プロフィールに使用)このTシャツ、胸のところがカンマン、背中に流れカンマンの梵字が入っていて格好いい。すっかり気に入ったので僕は刺繍バージョンで作ろうかなあと検討中なんです。でも、どうせなら100枚くらい作りたい。けど1枚3千円とかするだろうから、30万か!?、今のところ近畿三十六不動尊霊場会の先達仲間、島崎千波さんにご紹介いただいた仏画 集印軸 墨文字 だんじり墨絵の伯舟庵さんに見積もりをお願いしようと考えております。
さて、関東三十六不動尊霊場、第一番霊場から第七番霊場までは発心の道場です。
近畿三十六不動尊霊場の第一番札所四天王寺、九州三十六不動尊めぐりの第一番両子寺のいずれの第一番寺札所も、まさに聖域への入口にふさわしく荘厳で神秘的な雰囲気に満ちあふれています。
まさに発菩提心。何れの巡礼においても仏道修行への意志を高めていただける感覚にあふれる場所となのです。
昔から「大山不動さん」と呼ばれている大山寺は、山号を雨降山といい天平勝宝7年(755)奈良県の東大寺の別当良弁僧正(ろうべん)が父母の孝養のために建てたと言われます。
赤子の時、大鷲にさらわれた良弁を探して、日本国中と尋ね回った父母が、盲目の乞食になり果てていたのを不動明王の導きで、親子の再開が出来たと、大山寺縁起絵巻に書かれている。
良弁の帰依深かった聖武天皇は、良弁親子の再開に強く感動され、大山寺を勅願寺とされた。寺は、その後いくたびか災厄にあったが、鎌倉・足利・徳川幕府の保護をうけ、その都度再建された。
本尊不動明王、二童子像は珍しい鉄像で、鎌倉時代(1270年頃)大山寺中興の祖、願行上人作と伝えられ国の重要文化財です。他に平安前期(728)の木像不動像をはじめ多くの仏像がある。
この寺はかつて、日本古来の予言者から発展した山岳宗教の、「修験道」の道場で、大山不動信仰を世に広めたのは、この修験者たちであった。今でもその象徴である天狗の面が売られている。
庶民が期待する大山不動尊信仰の特別の冥加は、農・漁・商・工・職人・技芸人等多くの人々の間で、その子ども達が親の職業を立派に引き継ぎ栄えるよう、加護を受けることであった。
8日、18日、28日と8のつく日)だけ国宝のご本尊がおられる内陣に入らせていただく事が出来ます。今日は6月8日。
この日に受付で関東三十六不動尊霊場会の指定軸は1万3千円、青不動尊のお姿がありましたので掛け軸を求めさせていただきました。
あらたに、始まる関東三十六不動尊巡礼。
心漲ったスタートであります。
雨降山大山寺(あぶりさんおおやまでら)
0463-95-2011
神奈川県伊勢原市大山724