いも焼酎に大切な3つの麹

いも焼酎の魅力を支える味は、アルコール分以外の微量成分によるもの。
この微量成分には麹の力が大きく作用しています。
焼酎に使用される麹菌は、黄・黒・白の三種類それぞれの特性を活かして焼酎は造られているのです。
よって、うまい焼酎の見極めにはまず麹。日本酒なら酵母の方が影響が高いですが、焼酎は酵母より麹です。本格焼酎の品質や味を決めるのは、麹と蒸留といっても過言ではないでしょう。

  • 黄こうじ
  • 小正醸造「小鶴黄麹」
    蒸し米で造る麹です。清酒づくりに欠かせない黄麹は、焼酎造りでも明治四十年代までは、この黄麹を使っていたとのこと。しかし黄麹は暑さに弱く、サツマイモの収穫期、つまり、仕込みを始める時期は暑いため、もろみが発酵中に腐敗しやすいという欠点があり、黒麹や白麹に取って代わられた。
    最近では徹底した温度管理が出来るようになったおかげで、黄麹を使った焼酎が登場し、フルーティーな香りが楽しめるようになった。

  • 黒こうじ
  • 黒伊佐錦 パック 25度 900ml沖縄の泡盛を造るときに使われるのが黒麹。
    黒麹菌が生成するクエン酸には、もろみの腐敗を防止する力がある。
    明治末期から鹿児島で黒麹を使った焼酎造りが始められましたが、黒麹の胞子が飛び散って人も蔵も真っ黒にしてしまうような難点と聞きます。最近では新しいタイプの黒麹を使用して造られた焼酎が人気になっています。特徴には奥深い甘味と独特の香り、後味の良さがよいです。

  • 白こうじ
  • さつま島美人 パック 25度 900ml大正末期に、河内源一郎氏が泡盛黒麹菌の突然変異による新種の麹菌の純粋分離に成功し、河内白麹菌と名付けられています。
    黒麹に比べて扱いやすく、もろみも腐敗しにくいことから焼酎造りの主流となっています。甘く軽い味わいでスッキリとしているのが特徴です。

大蔵省鹿児島税務監督局技官として赴任した河内源一郎氏は、明治末期、泡盛の黒麹菌から焼酎に適した種麹を分離し、さらに大正末期、黒麹菌から突然変異の白麹菌分離に成功。鹿児島の焼酎造りに彼が果たした役割は大きなものです。河内氏は昭和二十三年、麹菌を培養するシャーレを胸に抱いて亡くなりました。麹菌の培養適温は三十度前後、当時はまだ電気の供給が安定していなかったため体温で温めていたのです。
婿娘の河内源一郎商店会長・山元正明氏は、新しい魅力を持った焼酎造りを目指して新種の麹菌の開発に取り組み、昭和六十三年黒麹NK(ニュークロ)菌を開発しました。県内の大手蔵元が新種の黒麹を使って仕込んだ焼酎はたちまち大ヒット。他の蔵元も追随し、いも焼酎に新たな黒ブームを巻き起こしたのです。

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