永平寺蕎麦のお店「雲粋」で食べた

今から約750年前の寛元二年(1244)に「日本曹洞宗」第一の出家参禅の道場として道元禅師によって開創された、大本山永平寺。

この歴史深い永平寺の門前・永平寺町には「永平寺蕎麦」なる名称もあるほどに古くから数多くの蕎麦屋が点在している。
寺方蕎麦があったという史実はないが、寺に参拝する人のための茶店から発して門前蕎麦として発展していったと聞く。

さて、福井で蕎麦といえば「越前そば」。
越前蕎麦の歴史は室町時代中期の文明三年(1471)。越前の大名、朝倉孝景が一条の合戦の際に非常食として蕎麦を栽培したのがはじまりとされている。本多富正が府中の城主となった折に蕎麦職人を招いて蕎麦栽培を奨励するようになり土地に根付いたと考えられております。

越前蕎麦を代表とする「おろし蕎麦」が登場するのもこの頃のこと。挽きぐるみのやや黒っぽい蕎麦にたっぷりと大根おろしをのせ、つゆをかけていただくのが越前蕎麦。

永平寺の門前の蕎麦店の中では新しいそうだが、夜遅くまで開いているから立ち寄ったのが動機の店で、随分と気に入った店があるが、まずエントリーにする店の名を「雲粋」といいます。

福井県内と金沢で10年来日本料理の修業をされたご主人の山口権悟さんが生まれ育った永平寺の門前ではじめた蕎麦屋。
修行に出たら真似になると、福井県内のものをメインに、北海道産など県外の粉をブレンドしたそば粉を永平寺の山から来る谷水で打つ山口流の蕎麦。


写真は、「ざる」と「おろし蕎麦」のセット。
右のザルは、ネギののったつゆで頂く。
左のおろしは鰹と昆布のつゆをぶっかけて頂くのだが、大根おろしとつゆが絶妙にからむ。
出汁の風味を活かすため、辛みの強くない大根を使っている為だという。
だから実際に大根からは程よい辛みと苦みを感じて、つゆとのバランスが楽しめた。

店を後にしても、ほのかな蕎麦の甘みと風味が香った。

うんすい
福井県吉田郡永平寺町市野々13-38-2
0776-63-1077
10:00 18:00
第2,4火休

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