極楽寺 (九州36不動霊場めぐり 14番札所)

本日より宮崎県、それも南部の大隅半島の中ほどに大きくえぐられたように存在している志布志湾。
この湾にそそぐ福島川の上流部分にひらけている串間市だ。
串間市は、王朝時代にあった「櫛間院」(周囲を垣で囲まれた建物)を復活した地名で、櫛間が転じて串間となったらしい。
その中でも、特に北方では穏やかな農村地帯が開けていて、その水田などが拡がっている一隅の森に極楽寺があった。

日向ぼっこをしているチョロにお出迎えいただいてから、本堂に入らせていただくとご住職に歓待いただいた。

高野山真言宗なのに極楽とは、とあまり聞き慣れないところであるが、高鍋藩寺社帖に「大田井山極楽寺は高月寺末、住職は泰忍。仏堂を有し一、本尊は不動愛染明王。一、堂本尊阿弥陀仏、脇立不動毘沙門。此の堂三間四面に三方縁あり」とあるとの事、念仏に転じたのではないかと思われている。
その後、藩内に念仏の弾圧が行われ、城主との関わりをもつ極楽寺は寺号を残して真言宗に転派したと考えられている。


仏教百話問答によると、「不動明王」とは、五大尊明王の一人でインドの神、本地は大日如来である。
形相は、色は真黒で、大火焔の中の石の上に居られ、眼を怒らせて両方の牙を咬み、右手の剣は、煩悩と悪魔を降伏させ、左の索はいわゆる不動の金縛りで、悪鬼羅刹をふん縛るのである。
また五鈷や三鈷など仏具を持ち、或いは印を結び、又は輪を持ったり、手に胸を当てたりなど、種々の意味を形で表されている。
要するに悪魔降伏がその本願なのである。

あらためて、気を引き締めた次第だ。

大田井の 不動の御前に めぐりきて 祈る心に 極楽ぞある
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宮崎県串間市北方5472
0987-72-6568

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