大慈禅寺 (九州36不動霊場めぐり 20番札所)

九州のほぼ中央にある世界的にも有名な活火山と言えば阿蘇山だ。
最高峰の高岳のほか、中岳、烏帽子岳、杵島岳、根子岳を総称して阿蘇五岳と呼び、南北24km、周囲128kmの巨大カルデラの外輪を形成している。
火ノ国と称えられる熊本県は、この阿蘇山を東に城山など繁華街を中心に繁栄してきている。

創建は弘安元年(1278)。当時の地頭であった河尻左右衛門佐泰明が寒厳禅師に帰依して建てたとされる。
解脱門はこの寺の象徴とも言えよう、くぐると左右に六地蔵がみえる。
六道能化のこの菩薩は、儀軌において香炉、法珠、合掌、しるしばた、錫杖、数珠をもっている。
その先には、山頭火の句碑が建ち、大正五年に熊本に訪れた際の句が刻まれていた。

鎮守堂には、荼吉尼天(だきにてん)が奉安されている。
入宋帰朝の砌海上に現れ「吾は荼吉尼天なり、これより汝の法を護り帰依する者に豊楽を授けよう」と告げられたことに感悟し、帰国ののち尊影を刻んで護法の善神と崇められた。
愛知県豊川稲荷はこの善神を勧請したものである。


堂内は、丈六の釈迦如来坐像が厳粛に鎮まっている。
お目当てのお不動さんは、同じ堂内の左手小さな祠に鎮まっておられた。

第20番
ー曹洞宗ー 大慈禅寺 水かけ不動
〒861-4114
熊本県熊本市野田1丁目7-1
096-357-9173

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