周防灘に面した国東の海岸は、蒼く光っていた。
途中の富来浦から富来町を通ると、宝くじに当たる富来神社があったけど、通り過ぎて山々の峰に車を進める。
窓を開けて走っていると、野鳥の声がしきりに聴かれはじめてきた。
このころは陽の光があったのに、20分ほど走るとライトを点けようかと思うほど仄暗くなってきた。
まだ昼を過ぎたところなのにと思って上を見れば、天にも届きそうな鬱蒼とした樹林が太陽の光を妨げていた。
なるほど。そう思ってライトを点けた。
それから暫くすると、周囲が明るくなった。
門前にある駐車場は大きなスペースについたから、頭上は、鬱蒼と覆う木々ではなく太陽の光になったのだ。
いや、しかし、参道にはいると、また夜になった。
樹木の茂る参道石段は、帰り道に数えたんだけど写真を撮った場所、仁王像から236段。
仁王さんの阿形像は左手に持つ金剛杵を肩上に構え、右手はやや丸めて地を押さえるような恰好をしていて、来るものを拒むように睨んでいる、ように見えた。
階段を上がりきると、往古より文殊菩薩の信仰と共に祈願の道場として栄えてきた文殊仙寺が鎮まっている。
創建は大化四年(648)役行者が神呪をもって中国五台山に飛来し、禅定三昧に智母慈尊を感得され、この地に堂宇を興して奉安されたと伝説されている。
その後、養老二年(718)、仁聞菩薩により満山寺院を開創され末山の本寺として十二坊を有し、現在の客殿に大聖不動尊を安置した。
奥様に、客殿の本尊大聖不動明王と上品上生の阿弥陀如来をご案内いただき、その参詣のあとで、裏側の洞窟に湧く「智恵の水」をいただいた。
山腹には千古の年年輪を刻む特別天然記念物の欅があったので、その前でぱちり。
何枚か撮ったが全て光が入っていた。
罪科を 焼尽さんと み仏は 焰の中に 立ちませるかな
第4番
ー天台宗ー 文殊仙寺 仙の不動
〒873-0646
大分県東国東郡国東町大恩寺2432
0978-74-1400