大岩屋山 応暦寺 (九州36不動霊場めぐり 7番札所 )

ご存じの通り、宇佐神宮は宇佐八幡ともいい、全国四万余りの八幡宮の総本山。
伊勢神宮に次ぐ宗廟として、古く奈良時代から朝廷の崇敬を受けた名社で、天皇即位や国難のおり奉幣のため、はるばる宇佐使が朝廷より遣わされたとされる神威の高い神社であります。
その宇佐神宮から、国道213号線を国東半島へとすすみますと、九州三十六不動霊場巡礼は国東半島に入ります。
しかし国東あたりの磐山というのは、水墨画のそれに似ているか、いやむしろそれよりも美しくて、この山容というのは惚れ惚れとするものがあります。
山号「大岩屋山」にもなるほどと肯けるところだ。
しかし、これは眺めの話であって、六郷満山の峯入り行場としては一気に嶮岨、その厳しさを感じる山に変化するのです。


さて、この階段を上がったところに見えている仁王力士の像。
写真ではよく判らないが、とても力の強い仁王力士であります。


二対の仁王力士の間を通るとき、それは頭を下げなければ通ることが出来ないような気迫。それゆえ手を合わせゆっくりと拝見させていただきますと、仁王さんの形相は、阿形像の左手に持つ金剛杵は肩に構えておられます。手は手の平を下に開いて、まるで地を押さえるような恰好をされている。

吽形像の左手は肘を曲げて拳にしていて腰に当て、右手は手の平を前に開いて肩に構えている。
お顔は、忿怒の表情が強く表現されていて、胸骨や肩から手先にかけての表現には力強さが感じられる。

やはり六郷満山の峯入行者は仁王力士に祓われ力を与えられて行に臨んでいるのでしょう、このように力強い仁王力士像は本当に久々でした。
さて、仁王力士の間を通り抜けるとそこは本堂、いよいよお不動さんとのご対面です。


左目は半開にして、天地を睨む。
二つの牙は上下に出ていて、眉間にはしわをよせている。
不動明王のお顔をながめていると、その忿怒の相が穏やかにさえ感じることも、また、目を背けそうにもなります。これは勿論その時の私にある心の状態によるものなのですが、時にそれを越えた何かが動き始める様なことがあります、これは9番札所のエントリーで少し触れたこともあり割愛しておきましょう。
ただ、こちらのお不動様にも動を感じた事には違いなく、九州三十六不動霊場のお不動さんの霊験深さには甚だ感銘をさせていただいております。

榧材(カヤザイ)一木造りの不動明王坐像は平安後期の作と言われ、現在も六郷満山の峯入り行場の一つとして残されている霊場、役行者さんの尊像も印象的でした。

たえまなく 岩屋を照らす 不動尊 救う誓いの 声ぞ聞こらん
九州三十六不動霊場めぐり第7番札所
ー天台宗ー 大岩屋山 応暦寺 慈相不動
〒872-1102
大分県豊後高田市大岩屋401
0978-53-4427

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