佐賀県の武雄市周辺を通過して行こうかと思ったけれど、このあたりには巨木が多いのを思い出した。
「武雄の大楠」は武雄神社にあるご神木で全国第7位の巨木。「塚崎の大楠」は、樹齢三千年ともいわれている。「川古の大楠」は全国第5位を誇り「黒尾の大銀杏」も樹齢300年と言われていて、季節が秋であればなあ、などと山あいの道をひた走る。
女山峠から徳連岳に入り始めた頃、「道は二つあって一つは険しい」と九州三十六不動尊霊場 第26番札所 無動院のご住職に言われていたのを思い出す。
排気量不足を感じた事がなかったトヨタ ヴィッツが上がらないほどの急勾配だったからで、これはどうやら険しい方だと判り始めてきた。
杉岳山大聖寺は、和銅二年(709年)に行基が開基したもので、不動明王と二童子を安置している。
寺宝の伝説には、鎮西八郎為朝が黒髪山の大蛇退治に向かうとき祈願を行い、不動明王の御加護によって無事に討ち果たしたので、明王剣と大蛇の歯を奉納した。
その後、豊臣秀吉が朝鮮に侵攻する際、この銘刀を求められたが毎夜殿中に光を放ち、異変が起きるのを恐れ「末代まで宝物にせよ」と奉書を添えて返納されたという、その書状は今も伝えられている。
標高380メートルに位置する大聖寺にある境内を歩いていると、武雄あたりで眼にしていた大きな木が目に入った。推定樹齢約500年で、マキの木なら日本一の古木だ。
一年中、緑に覆われる木で、毎年9月から10月ごろには結実した楕円形の種子が実るそうだ。
以前は乾燥して煎じて薬として引用していたのではないかと伝えられているが、今日はその身は見られなかった。
また大聖寺は「あじさい寺」として6月から7月ころ、遠くは福岡や長崎からの参拝者で賑わっているそうだ。
今回は何れのハレの季節とも違ったけれど、ここからの眺めは比叡山無道寺明王堂を思い出すほどで空気も澄んでいる。
どうしてもまた行きたい。「マキの木からなる実」や「がくあじさい」にも触れてみたい。
そう思い、自分の信ずる願いが成就するようにと、のぼりを奉納させていただいた。
御詠歌
不動尊 山上深く おわします 利剣あらたな 大聖の寺
九州三十六不動霊場 第25番札所
杉岳山不動尊 大聖寺 杉岳の身代わり不動
〒849-2204
佐賀県杵島郡北方町大崎6694
0954-36-4767