但馬国 出石神社

突然だったが、但馬での用件を終えてから但馬一の宮「出石神社」を再訪する事にした。


出石神社にバスで向かうなら「鳥居前」が便利。
そこから出石市内の方向を見ると、はるか彼方には城山稲荷や出石城跡のある有子山、手前には稲作でよく手入れされている田が広がっている。
随分と寒いが足取りは軽快。その距離は徒歩で10分程度だけど、歩きながら楽しくなってきた。

そして左側に、杉の大木が立ち並んでいるのが見えてたら、出石神社に到着だ。
まずは、狛犬にお出迎えいただく。

お迎えいただく、と記すのはこの様に神聖な自然に満ちているような場所では、普段忘れている事を思い出すからだ。

今は随分と小さくなってきた自然の声を、そのつもりになって、狛犬さんに目を向け、また耳を澄ませれば、何らかを教えていただけるように思える。


そして境内へはいると鳥居には、一の宮の額。
大きい力や壮大な歴史を感じてくる。


初めてここに来たのは二年前の夏の終わり頃。
のちに記すけれど、この神社境内地にある「禁足地」に興味をもって向かったことがあった。

すると、蛇にあった。
進路を妨げられるように大きなヤマカガシが道をふさいでこちらを見て動いてくれず、とくに蛇にはヘタレですから、うん、これは止めておけって事だなどと、断念したのを思い出す。

さて、小生。
一般的な神社はもとより、この様な古い神社の場合、社殿での参拝を行うことは勿論いたしますけれど、社殿が出来る前の状態を想像したりいたします。

つまり、御膳谷での大山祭のように、磐座や祭祀を行ったであろう場所を探したりする事を好んで行いますから、こちらの禁足地に興味を持ったというわけです。

ところが、はばまれまして、行こうとして足をすすめても動いてくれない。じっとこちらを見ているわけです。そして、まあいいかと思って進もうとしたら、悪寒が走ったのでやめたのですから、いわゆる祟りの前触れ。


その様な思いの中、今日はぐるっと回ってみました。
写真のような柵に囲まれておりまして、やはり奥の方には磐座のような岩が見えます。
恐らくは古い時代に祭祀が行われていたのでしょうか、不明のままでしたが遙拝させていただきました。
今回もやはり中には入れませんでしたが、このような神秘的な場所は大切にしたいものです。
そして、自然を感じられる自分を保っておきたいものです。

さて、何の紹介らしきも記せませんでしたので、社務所にて宮司奥様から頂いた由緒書より引用したいと思います。

「出石神社は、天日槍命(あめのひぼこのみこと)が、新羅の国よりお持ちにな
りました八種の神宝を出石八前大神として、また、天日槍命の大御霊を御祭神として斎祀しています。
 天日槍命は、『古事記』、『日本書紀』ともに新羅国王の王子であり、日本に渡来されたとし、その事蹟は記紀のほか『播磨国風土記』『筑前国風土記』逸文等にうかがうことができます。
 八種の神宝とは、『古事記』には珠二貫(たまふたつら)・振浪比礼(なみふるひれ)・切浪比礼(なみきるひれ)・振風比礼(かぜふるひれ)・切風比礼(かぜきるひれ)・奥津鏡・辺津鏡の八種としています。
 天日槍命のご子孫には、田道間守命(たじまのもりのみこと)や、神功皇后があります。
 
 神社の創立年代はあきらかではありませんが、社伝の『一宮縁起』には、谿羽道主命と多遅麻比那良岐と相謀り、天日槍命を祀ったと伝え、諸書によりますと、遅くとも八世紀のはじめ頃にはすでにこの地で祭祀がおこなわれていたことがうかがわれます。
 但馬の国一宮として当地では別名を一宮(いっきゅう)さんと呼び尊敬されています。天日槍命は泥海であった但馬を、丸山川河口の瀬戸・津居山の間の岩山を開いて濁流を日本海に流し、現在の豊沃な但馬平野を現出され、円山川の治水に、また殖産興業に功績を遺された神として尊崇を集めております。
 現在の社殿は大正三年に再建され、透塀で囲まれた三間社流造の本殿、その前面に切妻造りの弊殿と祝詞殿があり、拝殿は舞殿形式で入母屋造り平入りで蔀戸をつり、正面に拝殿の屋根と独立した平唐破風出桁の向拝は他に類のない珍しい建築です。神門は丹塗の八脚もんで、数多くのの蟇股を飾り、左右に連なる塀も丹塗りがうっそうと生い茂り、入れば祟りがあるといわれています。

     特殊神事
     

  1. 立春
  2.  立春の日に神馬藻(なのりそ)を奉献する慣わしがあります。
     

  3. 幟まわし
  4. > 毎年五月五日、氏子男子の初節句を祝い、中学生たちによって行われます。天日槍命が瀬戸を切りひらいて引き揚げる道中の姿を偲ぶ催しです。
     

  5. 御年花祭
  6.  新嘗祭の前日に木製の火おこしで浄火をおこし、直径十二センチ程の薄い円餅つくり、当日神前に供した後、参拝者にまき与えます。この餅を御年花といい種々の霊験があるといわれています。

 ところで、先月の歴史読本のに一の宮が特集されているのはご存じだろうか。

 小生は、アマゾンに注文中ですが今のところ来ません、どうやら在庫切れのようです。

 この書籍は、日本各地の一の宮を中心とする神社の歴史や由来、そして参拝の作法なども記されていて、神道の入門書としてもお勧めできます。

歴史読本 2007年 02月号 [雑誌] style=

出石神社
兵庫県出石郡出石町宮内99
0796-52-2440
JR山陰本線 豊岡駅から出石行きバスに乗り「鳥居」下車(25分) 徒歩12分

但馬国 出石神社」への1件のフィードバック

  1. 産田ノ眞名井戸ノ?ノ末裔ヨリ

    2010年7月17日 播磨、但馬、丹後、丹波 23 但馬國一之宮出石?社

     二度目の訪問。やはり、特別な何かを感じない。個人的には、やはり、天日槍廟所的な?社であるので、國津系の畏怖に繋がる系統の?社であるようには感じられない。…

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