清岩寺 (九州36不動霊場めぐり 32番札所 )

九州三十六不動霊場めぐりは、九州地方の大分県、宮崎県、鹿児島県、熊本県、長崎県、佐賀県、福岡県に開設された霊場めぐりです。宗派にとらわれずに霊場寺院が選定され、昭和五十九年十一月(1984年)に発足されました。

清岩禅寺の不動堂は、発足を機会に般若心経の写経により宗派を越えて建立を発願されたものです。
施工は、法相宗 総本山 薬師寺の西塔を施工された日本随一の名工として名高い、西岡常一大棟梁の指導のもとで建立されたものです。

本堂に向かって石段を登ってゆくと左手にその不動堂があります。
石像の不動明王像と二童子像がおられる不動堂は、前に立った途端に何とも温かいお顔でお出迎えいただくことが出来ます。


清岩寺のお不動様は必ず願いを叶えていただける、霊験あらたかな「開運厄除け」のお不動様として親しまれております。
奉納写経をお勧めいただいているご寺院だけに、小生も一巻のみ写経を納めさせていただきました。
その際に、以前の巡礼をしておった際に、一緒にお詣りをしていた方から「お線香は何本ですか?」と聞かれたことを思い出しました。

小生がお不動さんの霊場めぐりを先達としてお連れする際、一番多く受ける質問がこれなのです。
大抵の場合は、「何本でも良いですよ」とお答えするのですが、それでも小生のことを見られていて「三本たてましたよね、どうしてですか」と更に聞かれる。

一般的に、一本は死人の枕元に立てるから縁起が悪いとか、三世十方の仏に供えるから三本とか、その命日に当たっている仏さんと、ご先祖さん、三界万霊で三本とか、過去・現在・未来の仏に供えるから三本とか言われていますが、何本でも良いと思ってるから、やはり「何本でも良いですよ」とお答えしているのです。

ただ、お経には仏の食べ物はお香であると書いてあって、人間が死んだときも来世の生を受けるまでの間、中有にお香を食べ物としてる。そして、福徳の霊は妙香、福の薄い霊は悪香と書いてあるから、少しでも良いものを立てたいと思ってる。
ですから、線香の本数は決まっていないと思ってはいるのだけど、先ほども記したような全ての仏に供えることになるだろうという意味で立てる。
数ではなくて、少しでも良いものを、これこそが一番大事だと思っているのです。

そしてこれは小生のオリジナルだと思うのだけど、三本はピラミッドのように三角形にして立てる。
すると、その中心から最上の香りが天高く登ってゆくように観想できる。

帰り際にもう一度お不動さんと目を合わせると、更にあたたかなお顔で見送っていただけるようでした。

第32番
ー曹洞宗ー 清岩寺 開運厄よけ不動
〒838-0023
福岡県甘木市三奈木15
0946-22-6750

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