毎年この時期、特に師走の月の15日は、感謝の気持ちで登拝しつつ石段を上がらせていただく。
ところが今年は昨年と違う。この十石橋に紅葉が積もってるところだ。
今の季節に紅葉って変だと思いませんか?
まあ確かに朱の色に積もった黄色の落葉が美しいです。
ですから、美しいものは美しいのだから、これにはしばらく足を止めて見入っておりました。
でもこれはおかしい。だって昨年には全く出なかった汗が今年は出たんだから、間違いなく冬の訪れは遅くなってきているよ、間違いない。
さて、話は変わる。今日、歩きながら考えてたことがある、こうだ。
その時、愛すべきものは愛すべきもの、忘れられないことは忘れられないのであって、そんな自分をも甘受しよう、そう思っていると新たな自分を見つけた。『真の自由は義務の甘受の中にある』である。
新たなの『新』という字は、立っている木を斤る(キル)と書く。
立木を斤る(キル)と、その新しい切り口から樹液がにじみ出てくる。
その液の香りというのは、なんとも新しい生命を感じる香りをさせるものだ。
そんなことを考えつつ参道を進んでいて、丁度四つ辻を越えたあたりになったころ。
そこは、少しくぼんだ土地を千本鳥居は続くのですが、ここにこの時、陽が差し込んでおりまして、この写真を撮ったあとで日だまりの中に入りに行ったのです。
雑草をわけいった日ざしの中で、自分の手の平を一杯に両腕を開き、大きな深呼吸をする。
しばらく目を閉じていると御仏を感じる程あたたかな気持ちとなれた。
それからお目当ての御膳谷に到着。
西川所長とお話しをしておりますと、年を空けて早々に、改築をされるとのこと。
こちらも新たなり。と受けとらせていただいておりますと、来年の稲荷大社に関するご案内などをいただき、ますます新たなりと気持ちを強めさせてたいだくことが出来ました。
ただ私は、愛すべきものは愛すべきもの、忘れられないことは忘れられない自分に違いありません。
また、これを変えるつもりもありません。ただ、これを甘受してこそ、そこに新たな自分があってそこにこそ生きられるのだと、そのように頂き、その方の良縁祈願も共に行い山をあとにした。
真の自由は義務の甘受の中にある。
今、新たなり。