特別追記:2008年4月20日に閉店しておられました。
出石皿そば食べ歩きマップ巡り第5番
出石町内でも、目抜き通りと言うべきあたり。
この様な立地ですと、いわゆる一時のお客さんを如何に裁けるか、という所にお店の特色が露呈するものだけど、このお店は捌き方が上手かった。
そば屋さんの感想を、打ち方ではなくて捌き方、いやそれもウマかったなどとは紛らわしいですな。
いや、そもそも小生はお昼一番の出鼻客でありまして、大体その様なときと言うのは福の神(笑)。わんさと人がやってくることが多いのです。
つまり、小生がひとりで店にいると大勢のお客さんがやってくるパターンが多い。
そしてショーケースには真剣が飾ってあるなあ、などと見せていただいていると、本当にお客さんが押し寄せてきたのです。
(上は「越前住肥後後大掾藤原魚法」、下段は「越前國住蕪常」とそれぞれ銘がある。)
小生以外に誰もいなかった店内が、もう既に満席、入口あたりには、立って並んでいるお客さんもいるんだけど、こちらの奥さんおひとりですべてを捌いちゃったのです。
その捌き方というか、お客さんの案内の仕方なんですが驚き。
全ての言葉と間に失礼がなくって不快感を与えないのです。お客さんの方が納得して席の移動や、注文をしている。
かといって、ありがちなお客さんが遠慮するというような雰囲気もない。
まだお若い奥さんだけど、これはやはり目抜き通りゆえに鍛え抜かれた結果なのだろうか、等と思っている内にお蕎麦が来ました。
さて、肝心の蕎麦は香りの立り、これだけで頂いても卒のないまとまり方。
汁も、玉子もネギもトロロもすべて平均的なお味でこれといった特色は感じなかったのです。
ところが、それぞれの薬味を蕎麦と絡めて頂きはじめたとき、急に旨さを感じ始めた。
それは、それぞれが、とても美味しかったからで、汁だけに付けたとき、トロロを加えて食べたとき、それに玉子を加えたとき、ネギを加えたときと、とても味わい深かったためです。
だから頂いた後、いつもブレない味を目指しておられるのだなあと感じたわけで、もしもお店を始めるなら、この様な味で店がまとまれば良いなあと思った小生でありました。(やりません)
刀屋
兵庫県豊岡市出石町八木62
0796-52-6400