四天王寺の亀井不動

詠歌の「ありがたや 法のはじめの 天王寺 亀井にうかぶ 不動明王」からは、まるで亀井の池があってその上に不動堂があるようにも思えるのですが、実はこういう事です。
写真の向こう側にある「亀井堂」の地下には、大きな石亀の水盤があって、その口から清水が湧き出ております。そこには回向を済ませた経木を流すのがここの習わしとなっているほどです。さらにこの周辺の地下には広大な水源があり、その上に亀井不動さんのお堂もある。ですから詠歌にある「うかぶ」という表現も理解が出来るというわけです。

こちらのお堂の横には井戸があり、手で汲み上げましてから大きな水盆にうつして、亀井のお不動さんに水をかけます。
不動堂におられるお不動さんは、身の丈で言うと五十センチほどなんですが、眷属の二童子さんもおられます。写真の通り参拝者は絶え間なくお詣りに来られておりまして、その水を絶え間なくかける水で乾く間もなくてお体にはびっしりと緑の苔が生えております。


さて、近畿三十六不動尊霊場は、密教の根本尊である大日如来の化身であり、大日大聖不動明王(だいにちだいしょうふどうみょうおう)、不動尊(ふどうそん)とも呼ばれる不動明王をまつる代表的な三十六箇寺の寺院からなる霊場で、ここ亀井不動は一番目の札所となります。
ここをスタートして大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の近畿二府四県から選ばれた不動明王をまつる代表的な三十六箇寺の寺院の巡礼がはじまります。

小生はこの霊場の巡礼を一人で、もしくは霊場巡礼を志す人と共に数十回まわらせてただいております。それは時に個人的にも不動尊にお導きを戴きたいと思うときや、更に自分の人生をよりよく過ごさせていただけるようにと考えたとき、また自己を見つめたいときなどであり、何方かとご一緒する場合も同じように自己を研鑽されたい、またご先祖の回向のためである場合や、自分の人生を自らも切り開いてゆきたいとのきっかけとされる方、また観光としてという方もおられます。

このように巡礼をされる方は、やはりそれぞれの御信仰をお持ちになっておられますから、丁寧な作法を持って本格的な読経を誦える場合や、朱印を頂戴するのみ、またお賽銭をさせていただくだけの方もおられ、まずは一通りお詣りしてみようとする方も少なくありませんが、それらはきっかけとしても不動尊霊場へのご縁としてはとてもよろしいと思わせていただいています。しかし、巡拝の本来の目的はお経を読むことにある事であり、これについてのみ、他には何も口うるさくお伝えすることはありませんが、なるべくお不動さんの前でお経を読む事はお勧めしているところです。

お経はと申しますと、霊場会としては「霊場巡拝諸経要集」という経本をお薦めしているところで、霊場を巡拝する人に向けた経本として経典と巡拝の心得をしめした使い易い経本内容と表装になっております。

値段は800円いたしますが、入手の方法は次の二通りとなります。
1,近畿三十六不動尊のいずれかのご寺院、朱印所などでお求め下さい。
2,ご寺院でお求めにならない場合は霊場会事務局にお問い合わせ下さい。
 電話:0721-56-2372 FAX:0721-56-7441
 住所:郵便番号 586-0032 大阪府河内長野市栄町7-10-103

なお、霊場会でお求めの際は郵送料と手数料が別途部数によってかかりますので、出来るだけ御寺院にてご購入いただければと考えます。なお、ご不明な点などございましたら、小生までご連絡をいただければと存じます。メールアドレスはseto@kinki36fudo.orgです。(@は半角に変更してください)
併せて巡礼についてお役に立てることが御座いましたらご遠慮なくどうぞ。

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