安心の意味

いまでも勿論違法行為だからやってない。かといって当時やっていたかどうかはここで書くようなことでもありませんね。30数年前の当時、盗聴器を取り付けたりする事には当時から興味が強くて覚えたくて仕方なかったので、近くにあったよその探偵さんにはずいぶん頼み込んで教えてもらった。今のようなADSLや光ファイバーなどに比べるとずいぶん簡単な話なんだけど、やはり何度も聞き直したりして身につけるまでに一年ほどはかかったろうか。

取り付け方は、直ぐにわかる話なんだけどタイミングと言うべきか、例えば実際に盗聴器を取り付けるような時の「間」というのが難しくって、その現場に流れる空気みたいなものを感じて取り付けるところまでには一年ほどは必要だったのだと思う。

化調(ばけちょう)といわれる、電話での聞き込み調査なども、よその探偵社で覚えた。
所属している興信所では、文字どおり調査員。現場において張り込みと尾行をする職務だから同じ事ばかりを繰り返し行っていて、盗聴器も化調も教えてくれる上司もいなかったためだ。

興信所が調査員に、これらを教える事ができないのは、非合法なことを教えることが出来ないのと同じであって、探偵学校などでこの辺りに触れることはないと聞くのは、非合法であることを知らしめるしか方法がないためで、盗聴器を取り付けてはいけないと教えたり、詐欺まがいの電話をしてはいけませんと、戒めるしかない。

盗聴器を取り付けたりする事も、化調や対人的な工作などもそうだけど、合法的なことと非合法なこととを使い分けられるようになるまでは、ずいぶん時間がかかるものです。
いま例えとしてあげている、「盗聴器の取り付け方」と「化調の実際」について探偵学校の教材に入っているとすれば一度拝見してみたいのだけど、こんなものは内緒で誰かに聞いて実際に身につけるまでには一人で成功するパターンを感じるまでやり続けるものです。

そして今、盗聴器を発見するような業者が多いのです。
むかしは、「盗聴器発見サービス」などといっておりまして、それが「盗聴器発見業者」の乱立。
今ごろになると、盗聴・盗撮発見のような言い回しとなりましょう、いい加減うんざりしております。
このうんざりのワケは、取り付けも行ったこともない業者が発見業をしても見つけることなんて出来ないところにあります。

例えばテレビでやってる引っ越し屋さんのコマーシャルに、「女性調査員が盗聴・盗撮の電波を…」というのがあります。なにやらアンテナの着いた箱をもって調べているような絵面のあのCMですが、あれで見つかるものかどうか大変心配いたしております。

まあ、他の発見業者さんでもどうなんでしょうか、大変心配をするところですけれど、やはり調査していただいた後に小生が伺って見つかった事もあります。これは仕方ないにしても、デジタル盗聴器の検査は大がかりな道具も必要です、さらに小生がもしも取り付けるならまず見つけられることはありません、つまり、盗聴器や盗撮カメラの設置を行うプロと呼ばれる小生レベルの人間など五万とおるわけで、実際に盗聴器や盗撮カメラを設置するようなとき、誰が設置者自身が自分の素人仕事で取り付けるアホがどこにおるかということです。

時には秋葉原や日本橋、インターネットの通販で販売されているようなものを自分で取り付ける人もいるのかもしれません。しかしそれらは本当に趣味の範囲であってストーカーなど犯罪行為またはつながる行為を行うのに、どこに自分で取り付ける素人がいるものか。
なので特に知っておいていただきたいのは、盗聴器や盗撮カメラはプロが取り付けるものである。という点なのです。ですから、そう簡単に発見できるものではないのです。
それを証拠にその様な業者の殆どは調査の現場に到着してから、見つけることが出来ないのにその自覚も無しに、それも2時間すれば「安心です」というだろう。

だから、あのテレビコマーシャルを見ると不愉快になる。
本来「安心」という言葉は好きなのに、その安心の意味が判らなくなるためである。

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