初めて相談にお越しになる際には聞かれる事はないけれど、最終的な決意の場面で「絶対離婚しません」と小生に対して宣言する人は多い。
絶対などありえるのかどうかは別として、感極まってこの様に仰るわけだから、一旦のところは目を見て、うなずきながらお聞きするのです。
この時代、ただでさえ先の事など予測するのが難しいもの。
それなのに、絶対にと宣言をされるこの時というのは、実はこの相談者の心の中に、むしろ「離婚してしまうのではないか」という畏れが抱かれている。その時、小生はその様に思っているのです。
だから、さきほど「一旦」と記しましたとおり、少し残念に思いながら目を見ながらうなずくのです。
さて、今回はこのあたりの事を書いてみます。
小生、特に夫婦間について、今後の展望というか、未来の絵面についてお聞かせ頂くようなことがあります。
それは、自分の良いところと悪いところを知られて、それらがいかに夫婦生活において問題となっていたかを自覚された上での事です。そして、何らか最終的に気を許すというような雰囲気になったとき、「絶対離婚しません」とやってしまわれるのです。
人間関係に絶対などあり得るものではない、小生はその様に考えております。だからこの時小生は、相談者が何らか漠然として予感されているというべきか、その畏れに対して抵抗しているように思うのです。ですから、夫婦間の問題で、それも最終的な決意をするようなときに「絶対に…」と言われると、もう少し時間をとり直すようにしているのです。
たしかに小生に安心して欲しいという思いから言って頂いたともとれる場合も希だけどあります。だけれども、その大凡は畏れの反動、また自分自身の決意の念押しである場合であって、ほとんどが後で変化してくる。この事を小生はずいぶん昔から夫婦間の話をお聞きすることを通して知り得ているからです。
結婚前後の頃なら、「絶対に浮気をしない」と言ったこともある。
この、「絶対に〜しない」という言い回しには、「絶対にタバコをやめる」「絶対に酒を呑まない」。
そんなのもあるが、これも必ずや後に変わってくる。最初そう言ってやめる人は多いだろう。しかし後になってしたり、吸ったりする事になる方が多い。理由は先程も述べたように、漠然として予感している本人が言っている(宣言している)言葉だからだ。
・浮気をするような気がしている。
・タバコをまた吸ってしまいそうな気がしている。
・酒を呑んでしまいそうな気がする。
これらの全ては、自分の性格をよく知っている自分が先を読んでいる(予感している)と言うわけです。
それゆえ、「絶対に…」と取り付けて否定して、夫婦での生活などを共にする。しかし、その夫婦にも特有の約束もあり、ある時、何かのきっかけで「絶対に…」は変化せざるを得ない状況となる。それを例えるならば、前に少し記したような夫婦間の個人主義的な自立傾向にあったりするのだろうと思います。
またこれと同じように、いまのような状況になったと言うことには、必ず起因している問題がある。こればかりは本当に人それぞれで書き記せきるはずもないが、いまだから一考してみる価値があるのではないか。
過去に、「絶対に〜しない」形で自分に約束してはいないだろうか。もしもあるならば、それらを「絶対に〜する」と言いかえてみるだけでも充分な価値があります。
さて、ご存じの通り小生の専門は本地より探偵調査サービスであって、これらの問題については専門家と呼ばれて久しい。だから常日頃から個人的に専門家である以上絶対に夫婦関係を修復する気概を持って取り組む。
だが専門家と言っても絶対なのはいなくて、とんでも無い間違いや、時には専門家としての権威を笠に着たものの言い方、行動を取っているような輩もいる。
少しそれたが「絶対に〜しない」形については、調停を申し立てるまでには再考してもらいたい。これは見つかる可能性があるからだ。そして見つかれば自分自身で改善することが出来る。やってみましょう、一度やってみてもダメなら他にも方法があるのです。