三十を超えた頃というと、月に担当する依頼者が36人といった記録的激務もあった頃でもありました。
時折は探偵調査の現場に参加しながらも、この様な相談業務をこなしてい訳ですから、特にこの頃は、平均にして4時間あったか無かった程度の睡眠時間でした。
いずれ調査依頼時に大変トクする方法を書こうと思うほど、依頼者がトクをする方法を考えた時期でもありました。
前回記しました無料下見調査については、新聞広告が一行あたり14文字でありましたので、丁度ピッタリとする数であって、広告代理店の方にもナイスなコピーですとお褒めいたいたところから、小生はきっとコピーライターになろうかなどと一時でも思ったのは、不謹慎でしたが当時はうれしかったものです。
そして、機能的にも調査費用の見積もり前、若しくは見積もりを行いながらタイムリーに下調べを行うことで、費用についての説明は事例を示しながら、また、実際の下調べの結果を提示しながら少しでも深くすることが可能となりました。
さらにその頃、自分で調査する「企業信用情報」というコンテンツの発表に向けた資料づくりや検討を行い始めていて実際にこれが出来上がった時には場所を弁えずに歓喜の声あげたほどでした。
この企業信用情報は、特に調査業界では自社のノウハウが凝縮しているものであって、インターネットで公開すると言ったことなど全くのナンセンスで、当時も内部的に物議を醸したものですけれど、現在でも一日あたり五千以上のユニークアクセスを集める程であって、今では思い切って良かったと振り返ることが出来ます。
この自分で行う調査は、好評を得てシリーズにも致しました。
家系図作成を自分で行う方法では、戸籍や除籍、原戸籍、位牌、お墓、過去帳等から調査し、自分で家系図を作成する方法を解説しました。
携帯電話番号検索は、探偵興信所業界のウェブとしては初の試みでした。
携帯電話・PHSの電話番号から、その携帯通信端末が加入している通信事業者(キャリアー)を簡易検索出来るシステムを公開したのです。
次に記しますシステムは、現在でもNTT Docomo、AU、Tukaなどの携帯電話キャリアーや、DDIポケット、アステルなどのPHSキャリアーを、その携帯電話の電話番号から検索できる利便さから日に五千アクセスほどがあります。
そして、相談の内容に本当の変化が現れてきたのは、この頃でした。
「尾行調査の費用の相談」ではなく「男としての相談」、「家の主としての相談」でした。
これは、小生の年齢もそこそことなり、コンテンツとか依頼者本位となる方法ばかりを考えていて、白髪や顔のしわが増えてきたころとも重なっていて、いわば疲労感があふれている小生の顔に親近感を覚えられたから、これが理由だったとなると少々凹みますけれど、なぜだか個人的な部分に触れて、つまり腹を割って親しげに相談をされる方。
いわくそれは、「家内と仲直りをする方法について」、「どうやったら上手く行けるか」、そして「これからどうすればいいか」など、究極的に委ねられるような意味合いの含まれた相談が圧倒的に増えてきたのです。